クレー・コードを解け!

「パウル・クレー だれにもないしょ」宇都宮美術館。

久し振りの宇都宮美術館に嬉々とする一日。生憎の小雨模様ながら、美術館の周囲の緑はしっとりとした輝きを放ち、晩夏の趣を漂わせます。

今回のクレー展には、クレー自身が「特別クラス」とランク付けした作品や、「秘密」の世界に通じた存在としての子どもたち、そして奇妙な動物や天使を描いた作品なども集結し、なんともミステリアス。

クレーの作品世界を特徴づける重要な鍵に、「矢印」や「フェルマータ」などの記号的なモチーフがあります。これがクレー・コードと呼ばれるもので、何かを隠喩しているとか。ハートの唇などはただ可愛いと思ってしまいますが、そこにはシニカルな意味が隠れていそう・・・。

多声楽(ポリフォニー)と呼ばれるものもクレー作品の特徴。複数のモチーフが絡み合い、一体化し、枝別れして形状すら変化します。それがなんともリズミカルで、楽しそうに見えたりもしますが・・・。

クレー作品の音楽性・・・それは父親が音楽教師、母親が声楽家という環境に育ち、本人もヴァイオリンを学び、妻はピアニストだったそうで、人生に常に音楽があったわけです。タイトルにも『赤のフーガ』とか、音楽用語がちりばめられ、それが作品を豊穣にしています。

さらに、クレーは「この世でぼくをつかまえることはできない。ぼくは死者たちのもとに、そしてまだ生まれていないものたちのもとにすんでいるのだから」と、謎めいた言葉も遺しています。NHK「日曜美術館」で紹介された分解された教会の墓地の作品も展示されていましたが、まさにデモーニッシュな童話劇のごとし。不吉な香りさえよぎる少女からは、すぐに踵を返してしまいました。

ですか、クレーのグリッド作品。その色彩展開の美しさにはただならぬものがあります。一番好きな『快晴』の単純なカタチ。それなのに、見つめれば見つめる程感情が揺さぶられる美しさ。心の奥の何かに響いてくる切なさ。そこに海が見え、音楽が降りてきます。『花ひらく木をめぐる抽象』もまた、にじみ合う色彩の妙に音楽が聴こえ、幸せな気分が湧き上がってくるのです。

クレーは、かのバウハウスで1921年から10年間教鞭を取ります。やがて戦争により、特にナチスにより人生を崩壊されます。スイス、ベルンでの闘病生活。しかし皮膚硬化症という難病のなかで、あの天使たちは生まれるのです。クレーの天使。谷川俊太郎氏の詩の朗読入りCDを所持していますが、病気のことは今回初めて知り、かなりショックを受けました。

自身の苦しみを皮肉を込めつつ、美しい情景に喩える天才だったクレー。

美術館を出ると、明るい空の下霧雨がキラキラと舞い落ち、それは妙なる音楽のように見えるのでした。

150830

4 responses to “クレー・コードを解け!”

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