鮮烈なる宗教画

「バルテュス展」都美館。

東京ステーションギャラリーでの展覧会から、まだ、そんなに時が経過していないと思っていましたら、あれは1993年、21年も前のことと知り愕然としました。それ程にインパクトのある作品を遺した21世紀の巨匠。バルテュス(Balthus, 1908〜2001年)、本名はBalthasar Michel Klossowski de Rola。

彼の母親エリザベートはユダヤ系ドイツ人の画家。父親ピエール・クロスフスキーはポーランドの貴族の末裔で画家。ふたりの周りに集まったのは、錚々たるアーティストばかり。画家ボナールやマティスにドラン。バレ−のニジンスキー。父親らが「セザンヌに会いに行く」と言い出した時に、少年バルテュスもこれらのメンバーとサント=ビクトワール山を見に行ったとか。

両親が離婚し、義理の父親(母親の恋人)は、詩人のリルケ。リルケはバルテュスが愛猫光(みつ)のために描いた40枚の版画を編集し『MITSOU』を出版しています。

さらに,アンドレ・ブルトン、ピカソ、アンドレ・マルロー、フェリーニ、ジューヴ、カミュなど。彼の生涯には、栄光の20世紀パリのアート史が垣間見られ、まさに生ける神話なのです。

今回の展覧会で、風景画家、バルテュスとしての側面を知りました。また、彼の描く少女たちのベースに、宗教画があったことも・・・。

彼はフランチェス化、ニコラ・プッサン、クールベから絶大な影響を受け、自らを宗教画家と訴えていたそうです。松岡正剛氏は、「バルテュスの少女はジョットであって、フランチェスカであり、その姿態はクールベの『眠り』であった」と記しています。他に彼に影響を与えた画家は、ハンス・ムメリ、スーラなど。バルテュスは、ピカソよりブラックが好きだったというのも面白い話です。

今回は、さらに妻である節子夫人の全面的協力のもと、スイス・ロシニェールのアトリエが再現されていました。窓から見える木々の緑、壁に掛けられた八角形の時計、ジャコメッティの肖像写真、大きな灰皿が印象に残りました。

節子夫人の言葉に、「バルテュスは少女を通して、神聖なエロスを表現した」とありました。彼が作品について多くを語らなかったのは、キリスト教では、性が罪と結びついていたからとも。

ラストに日本の俳優らとの交流があったことも紹介され、それは知らなくてもよかったかもと思いました。

澁澤龍彦をして「危険な伝統主義者」と言わしめた画家、新たな視点で彼を見るよい機会となりました。

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4 responses to “鮮烈なる宗教画”

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