詩を織り、空を染めて

「谷川俊太郎の詩による笠原博司染織展」 銀座の杜。

『闇は光の母』
闇がなければ光はなかった
闇は光の母

光がなければ眼はなかった
眼は光の子ども

眼に見えるものが隠している眼に見えぬもの

人間は母の胎内の闇から生まれ
ふるさとの闇へと帰ってゆく

つかの間の光によって
世界の限りない美しさを知り

こころとからだにひそむ宇宙を
眼が休む夜に夢見る

いつ始まったのか私たちは
誰が始めたのかすべてを

その謎に迫ろうとして眼は
見えぬものを見るすべを探る

ダークマター
眼に見えず耳に聞こえず

しかもずっしりと伝わってくる
重々しい気配のようなもの

そこから今もなお
生まれ続けているものがある

闇は無ではない
闇は私たちを愛している

光を孕み光を育む闇の
その愛を恐れてはならない

染織作家・笠原博司氏が、ずっと敬愛される谷川俊太郎氏の14篇の詩をテクストにして表現された14点の織のきもの。本日は、展覧会のオープニングに開かれた谷川俊太郎氏とご子息賢作氏による「詩の朗読とピアノの演奏会」に参加。

俊太郎氏は、笠原氏が俊太郎氏のために織られたという銀鼠色のきもの姿がなんともチャーミングで、「きょうは文豪になったような気分だよ」と上機嫌。賢作氏は、笠原氏の反物からデザイナー佐藤タカユキ氏が仕立てたシャツでご登場。その着心地のよさを何度もアピールされていました。

3人は対談のなかで、1本1本の糸を織ることは光と闇を紡ぐこと、詩を紡ぐことにも似ているとおっしゃいます。『海』という詩には、紋様を紋様にむすび 神と神をへだて 島々をへだて・・・というくだりもあり、つむがれた言葉が美しい紋様を織りあげていく様が見えるようで、大変興味深く思いました。

『六十二のソネット』等俊太郎氏の朗読は朗々と心に響き、賢作氏のピアノは水の流れのように心に染み渡ります。

山形との県境、宮城県加美町にて染織の仕事を続ける笠原氏は若きころアフリカにも旅し、さまざまな布と触れてきたそうです。鮮やかな色使いによる草木染の着物は、どこか沖縄の花織にも似て、幾何学的でリズミカルな模様が特長。生涯、自然のなかで暮らし、自然にインスパイアされ、自然をモチーフにつくる着物からは自然への憧憬が伝わってきます。

空と夕焼けが素晴らしく美しく、笠原氏が「ルネサンスの空」と名づける加美町の空を藍で染め上げたハンカチーフ「空のカプセル」を、きょうの日の記念に戴いて帰りました。売り上げの一部は被災地のあしなが育英会に寄付されるそうで、一人ひとりが何かをしようとしていることに、改めて感動する朗読会なのでした。

110619 

4 responses to “詩を織り、空を染めて”

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