神話的時空より兆す光

「柄澤齊展 ―洪水の後で―」銀座・シロタ画廊。

 1年前のきょう、ハヤブサが無事地球に帰還し、歓喜に沸きながら同じ場所で柄澤氏の新作展「星の劇場」を鑑賞していたことが夢のよう。

今回の「洪水の後で」というテーマは、私のなかでは4月2日のレンブラント展での柄澤氏のご講演の続編を見るようで、西洋美術館の講堂に映し出された20数年前のご自身の作品『死と変容Ⅰ-洪水』、そしてセーヘルスの荒涼たる大地とメリヨンの『アンリ4世校 (第4ステート)』が、まずあっての新作展なのでした。

 『過剰な水と そのあとにくるもの 微風 鎮魂 緑陰 静謐 神話的時空に顕れ 旅し たたずむ 孤影たち』

神の手でしょうか。たおやかな手から溢れる水を描かれた、『氾』と『濫』は象徴的な作品。

そして、水のひいた後の大地は・・・浄化され、緑が芽吹き森となり、やわらかな風が心地よい香りをはこんできます。雲雀の囀りも晴れやかに、それは荒涼たる大地に光が満ち溢れ、変容する兆し・・・。

鎮魂の鐘の中、神話の世界から抜け出たような人影がゆっくりと通り過ぎ、穏やかな季節の到来を予感させます・・・。

『日蝕』『午睡』『氷河』『Sacrifice Ⅰ』『ひばり』『柳』『木々は旅立つ』・・・鮮やかなグリーンが瞳を潤す作品の数々に心の安堵を覚え、感動に胸が震えました。

さらに会場には、それらモノタイプの水彩作品とともに、墨で描かれたモノクロームの大作『浮獣虹雷図』『蒸雲虚髏図』『決壊』の3作品が異彩を放っていました。レンブラントの『3本の木』を髣髴させる墨の線のストローク、この世の終わりのような激しい稲妻と竜巻。自然への畏敬を描いた作品は、あまりに美しく戸惑います。『浮獣虹雷図』に描かれた太古の生物たちの前にて、「偶然にも東北地方は恐竜の化石が多く出土しているんだよ」と柄澤さんが教えて下さいました。

すべてがメタファー・・・

 いずれの作品にも柄澤氏の被災地への深いおもい、鎮魂、思惟が感じられ、それぞれに物語が胚胎され、それをすべてを辿ってみたくなる欲望に駆られました。豊穣なるイマジネーションの洪水、柄澤氏の新たなる劇場は24日までです。

110613

4 responses to “神話的時空より兆す光”

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