53Fに現れた大自然

森美術館「ネイチャー・センス展:吉岡徳仁、篠田太郎、栗林 隆」。

 ネイチャー・センスとは、自然を知覚する潜在的な力のこと。

都市化、近代化の進んだ現代生活において、日本の自然観について考え、それが現代の美術やデザインにどのように活かされているのかを考えるという展覧会。選ばれたアーティストは、国際的に活躍する吉岡徳仁、篠田太郎、栗林隆の3人のアーティスト/デザイナー。新作を中心に、作品や空間を体感するスケール感のあるインスタレーションによって、私たちのネイチャー・センスの覚醒は試されます。

まず最初は吉岡徳仁の部屋。

いきなり目映いばかりの真っ白い部屋に投げ出されると、目の前には吹雪が・・・。新作「スノー」は高さ約6メートル、長さ約14メートルの透明で巨大な特殊フィルムケースの中を、ファンで吹き上げられた羽毛が、まるで雪のように舞い踊るという作品。
積もる程の大量の羽毛は、舞い上がり、静かに降り・・・を繰り返します。いつまで見ていても飽きることのない自然界の現象。人口なのにやはりそれは美しいという気づくものの・・・一体何羽の水鳥から集めた羽毛なのか、とも考えてしまう作品でした。

ふと「風を使ったインスタレーション」に、以前エルメスギャラリーで見た、1列に並んだスカーフにショットガンのような風を当てる吉岡氏の作品を思い出しました。(あのエルメスのカレが痛そうでかわいそうで、お陰で2枚も買ってしまいました)

カルチェ展にも展示されていた光学ガラスで造られたベンチとテーブルも展示。限りなくクリアなガラスのファニチャーは、光を呑み込み虹を放つ氷のようにも、羊羹のようにもちょっと見えました。

 篠田太郎の部屋に入ると、今度は暗転。

薄暗いそこには、3面の巨大スクリーンに、都市の風景、日常環境、取り残されたような自然の風景、水路、バクの映像が切り替わり流される作品「トリロジー」が。映像はただ漫然と眺めているだけで、何か忘れていたことを喚起させてくれくれそうな・・・深い洞察を感じます。ダムに佇む白い箱のような建物、そんな何気ない風景が絵画のように美しく、印象に残りました。

特に心にさざ波を起こした作品は「GINGA」。北斗七星をモチーフにした重森三玲作、京都・東福寺東庭に着想を得、直径約7メートルの円形プールに、オリオン座など星座の形に設置した天井のペットボトルから水滴が落ち、その波紋がまるで星空のように見えるという作品。天上から落ちる水滴を待つ時間のゆかしさ、落ちた液体が引き起こすかすかな水のゆらぎ、波紋と静寂は新鮮。とても繊細でセンシティブな作品でした。

栗林 隆の部屋では大自然を体感。

「ヴァルト・アウト・ヴァルト(林による林)」は展示室の上半分に和紙でできた雪原の林を再現、下半分を通る観客は、所々に空いた穴から首を出し、その林を見ることができるという仕掛け。冬眠していた小動物、あるいは虫が穴から顔を出して地上の世界を眺めるような不思議な気分。唐松の林は実際に山形の山中から採取した木から型をとって制作したとか。そして、林に隣接してあるのは、高さ4メートル近い山「インゼルン2010」。高低差を体感する火山です。

因みに栗原氏の父親は昆虫写真家の栗林慧氏。特殊カメラが繰り広げる虫の視線で見る世界は凄いの一言。何か、父子の自然とのかかわりの大きさを感じて嬉しくなりました。

そして最後の部屋「屋台」には、アジアの食文化を象徴した屋台が。拍子抜けするようなチープな展示物の先には六本木の夜景が広がり、虫の視点から突然神の視点に移ったようで、軽い眩暈を感じました。

六本木の天上界、禍々しいようなこの空間で、光、水、大地といった不定形な自然現象や自然物、自然も人間も一体となった宇宙観や森羅万象に宿る日本古来の宗教観をも考えるアンビバレント体験が面白い夜なのでした

101020

4 responses to “53Fに現れた大自然”

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