タイトルと、ポスターのロトチェンコのモノクロ写真に魅了され、行ってしまった展覧会。
「陰影礼賛」と言えば谷崎の『陰翳礼賛』が思い浮かびます。古い日本の生活様式にひそむ翳という美意識に着目した傑作ですが、こちらの展覧会は独立行政法人国立美術館発足10年を記念しての企画展で、東京国立近代美術館、京都国立近代美術館、国立西洋美術館、国立国際美術館、国立新美術館の5館が協力。「影」「陰」を共通テーマに、4館が収集する西洋近世から内外の現代美術まで33,300点のなかから絵画、版画、写真、映像を中心に、100作家・170点の作品を展観。
普遍性や、時代・地域によって異なる意味づけの多様さ、複雑さゆえに、体系的に考察することがむずかしい題材「影」を丁寧に腑分けし、その一つひとつを照らしだそうとする実験的な試みということですが、コンセプトが少々難解。無理も感じました。それより、企画された学芸員が33,300点もの作品とどう格闘し、納得付けしてカテゴリー分けし、選んだのかの方に興味が湧きました。
◆展覧会は4つのカテゴリーで構成
1.影あるいは陰
2.具象描写の影と陰
3.カメラがとらえた影と陰
4.影と陰が再考する現代
スティーブリッツから速水御舟、クリンガーから横山大観、モネにドラクロワ、高松次郎、トーマス・デマンド、岸田劉生・・・・、時空を超えた多彩な作家の作品のなか、影に着目した作品でいえば、結局、ロトチェンコの写真「階段」を越えるものはなく、「国立美術館コレクション展」でもよかった気がしたのは否めませんでした。でも、影について考えさせてくれる面白い企画ではありました。また、各美術館のコレクションを再確認するという本来の意味は、大いに果たされていました。
光あるところに必ずある影。人の心の奥にも潜む陰。多角的に考察された影のさまざまな表現に軽い眩暈を感じながら美術館を出ると、夜の六本木には紫色の影が溶け出していました。
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